2025年3月16日日曜日

忘れない

 夜中に目が覚めた。

朝の3時。夢を見ていた、まだその中にいた。

伊沙子さんが私の台所で、私の不備な調理器具を笑いながら、

手際良く朝食の支度をしている。

私は社会人になりたて風で、1人暮らしを始めたばかりの烏山の小さな部屋の台所。

私は横で、美味しそうに焼けていく魚や、味噌汁の香りに包まれている。

夜中までおしゃべりして、伊沙子さんが泊まっていった朝なのだろう。

実際には30代も終わりの頃知り合い、彼女が家にきたこともなかったが。

年齢はさほど離れていないが、怒涛人生をしてきた伊沙子さんはずっと歳上の

姉と母親の中間のような存在だった。

亡くなられて7年もたったんだわ!

(2018年12月12日Charing Cross  参照 上部の検索欄で検索できます )


目が覚めきれない状態で、彼女がそこにいるのを感じていた。

あの時代を忘れないでね!と、来てくれたんだ、と思った。

いつものミステリアスな微笑みを浮かべて。

私たちが、エネルギーと夢に満ちていたあの頃。

ロンドンでも同様。突進しがちな私のブレーキになりながら、

あなたも何やかや駆け抜けていた。


伊沙子さん、出会えてよかったです。

あの頃を忘れないで!と来てくれたんですね。

高齢になっても、身体が迅速に動かなくなっても、

心の中の「その人らしい光」は、消さないで!と。


外は雨。春に向かう雨の日曜日です。

             🌸 スマホによっては、検索が困難な場合もあります。


箱根は春間近











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