2025年2月23日日曜日

巣立ち

ボランティアで日本語を教えているが、今年は高校受験を希望するスリランカの少女を担当している。

相談に乗ってくれる友人も親類もなく、日本語がほとんどできない。

英語だけでも大丈夫、というフリースクールも、インターナショナルスクールも、

遠方だし安価ではない。

諸調査の末、秋の終わり頃行き着いた結果が、地元の夜間高校入学だった。

そこの全日制は、私の母校でもある。

学校の雰囲気や夜遅くの下校環境、授業風景も、親を同伴して下見にも行った。

私は個人的には、外人枠のある全日制高校入学を推薦したのだが、近くにはない。


「家族納得の上、自分たちの意思で選択」した結果が、地元の夜間高校だった。

定員割れしているので、よほどのことがない限り、合格する。

筆記テストも終わり、先週の「面接」には、私も付き添った。


母校は山の上にあり、長い坂道と階段を歩かなくてはならない。

寒くて風の強い日、小柄で痩せて、大きなぐるぐる目の美人のAちゃん、

無口な子で人馴れは悪いけれど、可愛い子で、一生懸命ついてくる。

手すりを使って登る私を気遣いエスコートする。

あら見えなくなった、と思ったら、

おいおい、強風を避けて私を風除けにしている(笑)。

ま、君が前を歩いても私の風除けにはならないけれど。 

久しぶりの母校、付き添いの待合室は図書館。建物はすっかり変わっているけれど、

懐かしく、忘れていたことをムクムクと思い出した。

青春時代。一生分の「モテ時代」だったかも、ふふふ。


帰り道、昔入学の直後、友人との帰り道、階段を踊りながら降りた事、

友人が大笑いして見ていた事を思い出した。

「ウエストサイド ストーリー」というミュージカルダンス映画を見た直後だった。

友人も見た後だったので、笑い転げていた。

まだ地元の映画館では未公開で、高校受験も終わった春休み、

二人ともそれぞれ東京で見ていたのだった。

「あたしね、こんな受験校に入ってすごく嫌だったの。

でも踊っているのを見て、よかった!踊ってる友人もいる。

これならやっていけると思った」と友人。


帰り道、私は階段でちょっとポーズをとりながら言った。

「Aちゃん、先生ここを踊りながら降りたことあるのよ」

Aちゃんは不思議そうに笑っていた。


その夜、階段の友人に電話した。

「ねえ、60年後、同窓生になる外国人を連れて、あの階段を降りるなんて

想像もできなかったわ」

「本当だねえ」

Aちゃん、たった1人、入学する外国人、暫くは大変だと思うけれど、

友達や知り合いを作ってね!

一生の友達が出来ますように。

故郷に戻った私は今、仕事時代の大切な友人はもとより、

故郷の幼馴染と守りあい助け合っている。友人は宝。

いい友人知人は悩みを半減し、喜びを倍にする。

おおらかな気持ちで、ちがいも認め合う!

Aちゃん、いい高校生活を!

紅玉がたくさん!スムージーにして毎朝飲んでいる。
自然の色彩の美しいこと!



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