昨日の午前は、久しぶりの晴れ間であった。
ベランダで洗濯ものを干していた。
何か視線を感じた。
何か気配を感じた。
周りを見渡しても、何もいない。
はっとして、空を見上げた。
我家は海のそばで、トンピがよく飛んでいる。
耳を澄ますと、鳴き声も聴こえる環境だ。
見上げると、一匹のとんびが羽を大きく広げて私の頭上を旋回していた。
秋の澄んだ空気の中に、飛翔している、浮いている。
羽の先端は、指先のように別々に動いている。
一本一本を広げたり閉じたり、縦に横に微妙に震わせたりして、
微調整をしている。
その繊細な動きの美しさ、高貴さにみとれてしまった。
私に何か用なのかしら? 食べ物はないよ。
目があった気がした。
手にした洗濯物を振ったり、色々合図してみた。
旋廻しているが、なかなか意思の疎通ができない。
とんびはやがて最後の旋廻をすると、身体全体の筋肉と羽を微妙に動かして、
サーッと去って行った。
かっこよかった!美しかった!気品がある!
キリリとしていた。おごねるところがない。
野生、自然には本当に素の美しさがある。
どんなファッションもかなわない!
私の一番大切な本のひとつローレンツ博士の「ソロモンの指輪」
を再読しよう。
意思疎通の方法が分かるかもしれない。
この本はローレンツ博士が動物と暮らして発見した生態を
ユーモアたっぷりに書いた、最高の本です!
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美しい! |