わかってはいるが、気が重い。
特に本の処理は、気が重い。
もう絶対に読まないことはわかっていても、手元に残しておきたい気持ちとの葛藤だ。
いつも本があった。ぼんやりと、本棚に並ぶ本の背表紙を目で追う。
それが日常だった。
背表紙が見えるだけでも、心が落ち着く。
いずれは、電子書籍がとってかわるだろうが、まだそこまでにはなっていない。
処分を決めた本は、ある程度まとめて、図書館に持っていく。
本の好きな人が、あっという間に持って行ってくれる。
でも、あまりにも古くなった岩波文庫の数冊、何か恥ずかしくて持ち帰った。
持ち帰り、その中の一冊の最初のほうを読んでみた。
倉田百三の「出家とその弟子」 ロマンロラン序 (マジメ~~~)
活字は古く、字は小さく、読みにくい。 しみもあるし。 あ、もう捨てよう。
フト、ネットで、青空文庫を見てみた。
あるではないか 「出家とその弟子」!
読み易い活字で、文字の大きさも自由になる。 その他、廃棄した本の多くがここにある!
最近みなかったが、増えたなあ、青空文庫!
国会図書館の国宝級の書や絵さえも見られるんだもの、すごい時代だ。
弾みで、みてみると、
「ピーターラビット」や「不思議な国のアリス」などは、挿絵入りである。
もっと見てみた。
朗読もみつけた。
朗読なら、家事をしながらでも読書ができて、時間の大きな節約になる。
すべて無料。
時間さえあれば、だれでも平等に、人類の膨大な思索を得られる時代なのだ。
ついでに、アメリカ版「青空文庫」も見つけた。
朗読も見つけた。
一番人気の、オースティンの「自負と偏見」(Pride and Prejudice by Jane Austen)
をダウンロードした。
あ、多分、英語の完読、完聴はするつもりもないし、できないでしょうが。
写真、音楽、本、映像、生活の記録のほとんどを、
小さなメモリースティックやメモリーボックスに入れられる時代になった。
次世代は、どんな次元の変化になるのだろう。想像もつかない。ワクワク。