2018年8月11日土曜日

創作意欲と原風景

「ハウルの動く城」がテレビで放映された。
DVDも持っているし、何度か見たこともあるのだが、最後に見たのは10年近く前。
忘れている部分も多く、しっかり見てしまった。

風景や町の描写が好きだ。
手を抜いていない。
日本屈指の映像画家の集まるジブリだもの、絵がとても楽しい!

やっぱり・・・
何度も思った。多くの風景は、ニュージーランドにそっくりだ。
3年前に友人の住むクライストチャーチに着いた時、
町を囲んで連なる緑の丘をみて
「ハウルの丘だわ!」と思った。
ハウルの城が歩いてくるようだった。
丘の下を流れる白鳥や黒鳥の遊ぶ河、雄大な空と湖、
雪を被ったサザンアルプス。
町の様子も、地震前のクライストチャーチに重なる。
(ヨーロッパの昔の町の風景は、どこも似ているが)
荒野や湖などは、まさにNZそのものだ。

この映画は、世界の色々な場所をモデルにしているらしいが、
NZも深く深く関連していることを納得した。
そして、そこに友人が住み、滞在できたこと、今後もできることの
幸せを思った。
神々しいまでの、雄大な大自然を思い出す。

30年近く前にも、その友人を訪ねてNZへ行った。
その時、マウントクックの広大な裾野を、(事情が重なり)30分くらい
一人で歩いたことがある。
見渡す限りの石ころだらけの平原。
空気が澄んでいることと遮るものがないので、ものすごく遠くまで見えるのだ。
何キロ四方に何もなく自分だけ、木もないし石ころ平原と空だけの中を
豆粒のような私が一人、テクテク。
恐怖感よりも幸せ感が大きかった(あとから追いついた友人に褒められた)。
私はテクテク歩きながら、この風景はまさに「指輪物語」の世界だ!
ビルボはきっとこういう感じで歩いたんだろうと思った。
夜は山小屋に宿泊し、火の玉のような流れ星を見た!
一緒に夜空を見ていたイスラエル人と、「今の見た!!!?」と顔を見合わせたっけ。

「指輪物語」はずっと後に映画化され、撮影は主にNZで行われた。
「やっぱり」と、少し誇らしかった。

南仏に行ったとき、糸杉がたくさんあって、ゴッホの絵ほどねじれてはいなかったけれど、彼の原風景があった。
人は必ずどこかから刺激やヒントを得て、段階を得て、インスピレーションや
個性を表現できるのだろう。
無からではない、と思う。
NZの友人も、日本人的よりずっとスケールが大きい!

風景、香り、人、物語、刺激は大切だ!
宮崎監督たちは、いつも、創作意欲の沸く風景や場所をさがしているのでしょう。

クライストチャーチの「ハウルの丘」

 

雲の沸く島
体の調子もあるが、もともと観光にはあまり興味がないので、
ますます遠出が億劫な日々だ。
地元用事でいっぱいなのが一番の原因だが。
用事がなければ出たくない、用事が済めば一直線に帰宅が好ましくなってしまった。
高齢化を促進しないように、気を付けなければ。
でも、この大自然にはまた会いに行こう☆

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