2023年5月21日日曜日

赤いイヤリング

 朝の散歩とラジオ体操、2日目!

行きましたよ!

歩くとうっすらと汗ばむ最高の気候、

新鮮な微風の中で身体がゆっくり目覚めていく。

たくさんの大木の精気を吸い込みながら、体操する。


「周りに誰もいないときは、マスクをしなくていいのよ」

体操の後、花などを散策しての帰り道、後ろから声をかけられた。

あたりにはだれもいない。

振り向くと、ラジオ体操の主催者(私が勝手にそう思っている)の高齢女性だった。

一人で杖を突いて歩いている。

白髪に真っ赤な帽子、赤い小さなイヤリング、真っ赤なニットズボンと賑やか色彩だ。

「あ、そうですね。つい。お化粧しなくていいからラクだし」

そう言いながら、私はスポーツ用のマスクをとった。

「だめよ~。帽子を深くかぶってマスクをして顔をかくして。

そんなことをしていたら、どんどんふけちゃうわよ」

「でも、らくなんですウ。眉毛ないし」

「私も眉毛ないのよ。でもね」

とポシェットを開ける。

お顔を覗くと、おお、うっすらと口紅をしている!

「私はいつも持っているのよ。眉ペンシルと口紅。

時々鏡を見て落ちていたら塗るの。頬紅をちょっとつけると生き生きするわよ」

脱帽!

ご自宅は歩くには遠いので、車で来ているとのこと。

もちろん自分で運転して。

どう見ても私よりずっと高齢だ。素敵!

うれしそうに話す顔のまわりで、赤いガラスのイヤリングが踊っていた。


体操している周辺には、植物の命が満ちている










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