2021年12月11日土曜日

換気扇

 換気扇の掃除を頼んだ。

到着が遅れて、薄暗くなってやっとピンポーン。

玄関を開けると、ゆりやんレドリバーに似た、大きな若者が笑顔で立っていた。

両手に色々な道具が入ったバケツや入れ物を持ち、脇にはたくさんのシートを挟み、

首からは大きなバッグを下げている。

思わず吹き出してしまった。

「だいじょうぶ~」

我が家には余分な駐車場スペースがないので、近くの駐車場に車を置き、

そこから必要なものを手に持って来たのだった。


換気扇のお掃除は大変である。

クーラーの洗浄は器具を使って洗い流せるが、

換気扇はこびりついた油を、溶液につけたり、手作業でそぎとってゆくのだ。

6時に開始して終わったのはほぼ9時だった。

家に来る前は、浴室の清掃だったそうで、カビと水垢を落す浴室の掃除は

水素を使うので、ガスマスクのようなものを被って行うそうだ。

この子(27歳の若者ゆりやん)の作業を見ていて、来る時間が遅れたのが

よくわかる。

大変丁寧な仕事ぶりなのだ。きっと前の浴室清掃も時間をオーバーしたのだろう。

一人で黙々と何時間も作業する仕事だからだろう、ちょっと話しかけると

たくさん話しだす。

そこでわかったのは、彼はこの近くで育ち、この町の高校に通っていた。

高校では福祉部に属し、養護施設やお年寄りの施設をまわって

サンタクロースなどやった。高校にはつい最近まで恩師に会いに行っていた。

コロナの前は東京で飲食店をやっていたが、コロナで閉店した。

またいつかやりたい、と。

「でも、飲食店は気を付けないと冒険だよね。

だってその日に何人人がくるかわからない生活だから、不安定。

サラリーマンだった私はそう思う」と私。

こういう答えが返ってきた。

「儲けとかは気にしません。楽しくやれれば。常連さんがいれば問題ないです。

楽しかったなあ、いつも遊んでいるみたいだった」

また、今の若者は、あまりお酒は飲まないそうだ。

経済成長期、たくさんの収入を得てたくさん飲んだり買い物して

浪費しまくった我世代!


ゆりやんは一生懸命換気扇を磨きながら、とっても幸せそうな笑顔を浮かべていた。

夢がかないますように! かなうよ!

きれいになりました



首飾りみたい





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