2022年6月21日火曜日

街の変化

 夜10時を過ぎた先程、救急車の大きなサイレン音がして、

家の近くで止まった気配。

近所には、知り合いの高齢者もいることだし・・・、と

小雨の降る中を、外に出てみた。

老人らしき男性が、担架に乗せられているところだった。


我家は2車線の道路に面しており、

歩道の大部分はアーケードに覆われている。

向かいの窓から見ていたという近所の女性が、消防署員に事情を説明している。

「散歩途中らしい人が急にふらふらして、そこのベンチに座ろうとして

座り切れないで倒れたんです」


驚いたのは、大きな救急車の周りにいるのは、救急隊関係者以外は、

説明している女性と私だけなのだ。

誰もでてこない。明かりが灯っている窓もあるのに。

説明している女性と私は、近所とはいえ知り合いではなく、

顔もお互いよく知らない間柄だ。

少し前だったら、大勢の人が集まってきたのに。

人がいないのは、小雨のせいというよりは皆高齢になって

動きが鈍くなった、または周りへの関心が薄くなったためだ。


古い地方都市のこの周辺の人々も、すっかり変わったものだ。

私が東京から移ってきた約20年前、隣近所との濃厚な付き合い方、

物のやり取りの多さ、時間に関係ない頻繁な訪問など、

慣れない私は悩んだものだ。

やがて両親世代の人々もいなくなり、社会構造も変化した。

コロナによって、人間関係はますます疎遠になっている。

隣近所と付き合いが途切れているわけではないけれど、

個人個人の境界線は、よりはっきりしてきた。

さっぱりしていい気もするが、心暖かい交流は保ちたいと思う。


サイレンの音が遠ざかっていく。

倒れた方の搬送先が決まったのだろう。

救急車は多分、誰にも見送られずに去って行ったんだろう。

どうぞご無事で!












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