アメリカの女性作家ドロシー・ギルマン著に、
「おばちゃまシリーズ」という、シリーズ化されたワクワク冒険娯楽作品がある。
はじめて読んだのは30代始めか、中頃だと思う。
正式な日本語訳はまだ先のことで、日本語のダイジェスト版で読んだのだが、
大変惹かれて、いつまでも覚えていた。
翻訳本が出版されたのは1988年で、すぐに求め、以降シリーズを楽しんだ。
第一巻を最近読んだら、今でも面白い!
というか、今の私の年齢にピッタリの作品だと気が付いた。
ずっと後で知ったのだが、作者は自立した飛んでる知性の高い女性で、
翻訳者も女性の自立関連の本を数多く訳しているベテランだった。
この二人がタックルを組んだ作品、面白いはずだ。
さて、第一巻。
夫はすでに亡く育ちあげた子供たちは遠方に住む、元主婦の60代半ばの女性、
ポリファックス婦人が主人公である。
大きな贅沢はできないけれど、ほどほどのゆとり引退生活、地域の園芸クラブやボランティア活動などで活躍している。
ある日、医者に言われる。
「お体は健康のようですが、精神的にはウツ症の傾向がみられます。去年とは違いますね。何か心配事でもおありですか」
彼女は答える。
「わたし、同年輩の方々よりも長生きしようなんて気は、これっぽっちもないんです。
(略)もういいって気がするんです。
何の役にも立たなくなって、生きていてもしょうがないって思いますの」
そこで医者は、孫の世話とかボランティアとか旅行とかお稽古とか勧めるのだが、
彼女は、やってはいるけれど、それほど好きではないかも、と答える。
規則に縛られ、いつも笑っていなければいけないなんてイヤ。
「じゃあ、もっとご自分にぴったりなものをお探しになることですね」
続けて
「昔からやってみたいと思っていたことはありませんか?いつか時間と余裕ができたら・・・と夢見たことは」
彼女は医者をまっすぐに見てうなずいた。
「ありますわ。子供のころ、スパイになるのが夢でした」
医者に笑われたが、彼女は真剣にこのことを考え続け、
やがてワシントンのCIAを訪ねる。
色々な手違いや偶然が重なり、彼女は世界をまたにかけるスパイになるのだった。
第1巻のタイトルは 「おばちゃまは飛び入りスパイ」
皆様は、いつかしたいと思っていたこと、ありますか?
私は、したいことを誰にも邪魔されずに生きてきた部分が多い。
そのために、やるべきかもしれないことは避けてしまったが。
(当然ながら努力もしたし、切ったこともある)
で、やりたかったこと(行きたいとか見たいこと)は、ほぼすべてやれた気がする。
満足している。
「親のそばにしっかり付き添い、最後を見送る」ということもかなった。
ということで、昨年の始めのウツ状態は、まさにポリファックス婦人に似ている。
私は地域につながりを持つボランティアやちょっとした仕事などをはじめて、
その時期をゆっくりと脱した。
ワクワクするほどではないが、楽しいといえる。
今、シルバーの方々と色々やっているが、その方々の中には、
隠れポリ(そう呼ぶことにする)もちらほら見え隠れする。
彼らは(私も)、もっとワクワクがあれば、いつでもすべて放って飛び出すだろう。
団塊シルバー時代だ。地域にはたくさんのサークルがある。
誤って、文化傾向や思索や常識が異なる人たちにとらえられないように、
参加する場合は、十分ご注意を!
隠れポリであっても、一人でいるのはよくない。
気持ちのいい人たちと交流して、時間を埋めよう。
人生経験を重ねた同志だ。
そして密かに(でいいから)自分のやりたかったことにトライしよう!
下手に公言すると、想像力のない常識的なジジババからコテンパに笑われるかも。
注意(笑)。
今なら昔よりは時間がある。私?もちろんあります。
スパイではないけれど♪♪♪
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今年は酷暑のあとは初冬って感じ。
カメもゆっくりできなかったね。
もうすぐ冬眠かも。いつも寄ってくる。 |
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オリーブについた実2個。 |
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紅葉のブルーベリー
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本日は秋晴れなり!