2022年4月14日木曜日

立ち話

 昼下がりの路地裏、私が歩いてゆく先に、華やかな服装の高齢者が立っていて、

私の方を見ている。誰だか確かめようと、盛んにこちらを見ている。

私も、知っている人かもしれないと目を凝らす。

双方とも、大きなマスクと帽子姿で、簡単には分からない。

近くまできて、お互い知らない人同士だと分かった。


その人(紫さんということにする)は、とても話し好きで

しかも話がなかなか面白い。

素直な私は、時々返事をしながら拝聴することになった。暇だったし。

小一時間の立ち話、私はこの近辺のお店(おでんやさんやはなやさん、

水商売屋さんなどで、私の個人的な知り合いあいはない)

の裏話や男女関係、諸履歴裏事情を知った。

噂話や世間話をする機会のない私だが、なかなか楽しいものだと思った。

お話が上手だ。


紫さんは最近やっと体もよくなり、外に出られるようになったとのこと。

ちょっと、遠方に住む方だった。

認知症の夫を抱えていて大変だ、一人になる日を夢見ている、とのこと。

世間話のあと、「心が充実した高齢者生活」を送るには?という

私の質問に答えて、たくさんの素晴らしいお話をしてくれた。

泉のように湧き出る話は、普通の人とはいえないような。

何か入信を勧められたら、どうしよう!

などと、密かに考える。


最もと思う、深く暖かく、理性的なお話が多かったが、

塩をラップに包んで布団に入れて眠ると、災いはすべて塩が吸収してくれる、

というものもあった!  

お互い名前などは明かさずに別れた。

春先の暖かい陽光の下。

誰かと話して色々伝えたいと思っている、経験豊かな年齢の紫さんとの立ち話。


帰宅して気が付いた。

私はどこかすご~~く元気になっていた。

肩に乗っていた、重さのようなものが落ちたような!

何なんでしょう。

あの人には何か力があるのかもしれない。


お塩をラップに包んで寝ました、フフフ。

春の亀 三重奏







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