何気なくこのブログの過去を見ていたら、「映画 ドリーム」を見た感想が書いてあった。
思わず読み返した。
同じように働いてきた友人がよく言う。
「私たちは仕事に恵まれて、普通では出来ないような体験や経験ができたのよ。
だから今少しぐらい大変なことがあっても、文句言わないの!
皆、子育てなどでやりたい事我慢した結果、今の落ち着いた幸せがあるんだから。
私たちはさんざん楽しんだんだから、もういいのよ」
はい、こちらもとても苦労したこともあるけれど、まー納得。
さて、映画:
少々長いブログでアメリカ映画ですが、日本はまだまだ女性と仕事と言う点では
未開発国(凄く)ですが、よかったらお読みください。
学校や職場、生活が、皆いい気持ちでできる時が来ますように!
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数日前に見た映画が頭から離れない。実話である。
日本題「ドリーム」
このタイトル、不服だ。そんな甘いもんではなかったろう。
原題「Hidden Figures」(直訳 → 隠された人々 )
時代は、1960年代、コンピュータがまだヨチヨチ歩きだった頃だ。
舞台は、米ソの宇宙開発競争まっただ中のNASAである。
主人公は3人の黒人女性。3人とも数学の天才でその頭脳明晰さにより、最上級の教育を受け肩書を持つ。
とはいえ人種差別の残る時代、薄給の臨時雇いで管理職にもなれない。
人工衛星やロケットの離陸および着地には、私には想像もできない高度な数学の計算が必要のようだ。
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******* 以下 映画のストーリーである。それほどのネタはない映画だが、
******* 見たい人には知らないほうがおもしろいかも。
******* 彼女たちの仕事は、衛星軌道や着地点を計算して割り出すことである。
******* 読みたくない人は次の「*******」マークまでパスしてください。
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内容)
オフイスも何もかもが、白人と黒人は分かれていた。
白人たちから遠く離れた黒人だけのオフイスにいたのでは(携帯もLineもない時代)
計算のためのやりとりは間に合わない。
そこで主人公の一人は、白人男性だけのオフイスに席が設けられる。
女性は白人の秘書だけだ。
黒人の彼女は同じコーヒーポットも使えず、トイレも遠くにある黒人専用に行かなければならない。
やがて、彼女の迅速な計算がなければ有人衛星の打ち上げができなくなり、
国家機密会議にも出席が必要になる。
白人女性さえも出席していない時代、女性プラス黒人の彼女は
目立たないようにひっそりと小型計算機(上級電卓のようなもの)を手に出席するのである。
そして会議の中心問題、着地地点の軌道を決めて宇宙飛行士を救出すること、は彼女の計算結果、つまり彼女の力量にゆだねられるのだ。
実際はこの映画よりはずっと困難だったと思うが、やがて功績が認められて差別が薄れてゆく。
コンピュータがヨチヨチ動き出した時代。
いずれ彼女たちに代わり、コンピュータが計算を担うだろうと予測できた時代である。
別の主人公は、白人専用の図書館に潜り込み、Fortranというコンピュータ言語の本を入手する。
天才の彼女にとって、プログラミング言語の習得は簡単なことだった。
そして計算室の(colored computer という部屋で多くの優秀な黒人女性が計算に携わっている)女性たちにコンピュータ言語を教え始める。
もう一人の女性は、NASAで最初の女性技術者になる。
IBMコンピュータが稼働を開始する。
しかし、IBMの技術者たちも、まだよく稼働できない上に計算ミスもある。
それを助けるのが彼女たちである。
やがて彼女たちが、NASAのコンピュータを担うことになるのだった。
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******* 以上 映画のストーリー終了
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彼女たちの年齢は、私の母親とほぼ同じだ。
そしてこの映画の舞台となった年代(宇宙開発競争時代)は私が大学生から社会人になる少し前の時代だ。
夜明けに家中で起きて、帰還宇宙船が無事回収できるか、祈りながらテレビ中継を見守ったっけ。
米国の宇宙挑戦は進み、やがて月面到着に至る。
月面に到着した宇宙飛行士3人は世界中を凱旋した。
東京で行われたパレードをすぐ近くで見た!
日に焼けて精悍だなあと思った(身長180センチ以上の白人男性しか選ばれなかった)。
アメリカ大使館近くのビルには「Welcome Astronauts」の垂れ幕がひるがえり、大騒ぎだった。
その陰に、こういう人たちが「隠されて」存在していたのね。
自分が行った計算結果の報告書の隅に、名前さえ載せられない、削られてしまう。
私の身のまわりでも、過去に似たことはあったし、今もあるでしょうが。
二重差別 … 私は女性であり、そのうえ黒人である
米国のフェミニスト アリス・ウォーカーの言葉を何度も思い出した。
NASAのオフイスは、人々は、学卒の私が入社した外資系(米国)のコンピュータ会社を思い出させた。
男性の中に一人、同じ職種に携わるというのも、その後の私の社会人人生で多々経験したことだ。
そこから、自分の社会人としての色々を思い出した。
映画の中で「Work like dog」という言葉が聞こえたこともあったかもしれない。
入社したとき、「女性らしくあれ、でも仕事は犬のように働け」と言われた。
半分ぼんやりしながらも、みな「やる気」だった。幸せだった。
やがて社会人としての実力がつき、ある年齢になると、男性のライバルとなる。
どの男性も追いつけないくらい、超超超頭脳優秀ならまた別だろうが、そうでなければ、
おだやかに体制を受け入れ、出っ張らなければ、昇進はしないが暖かく扱われる。
ま、あまりやる気にはならないわね!
そこをうまくやるのが能力ではある。
差別だと心をとがらせるのは無意味。女は女のやり方で。
人生の最終目標は、幸せな結婚生活なのだから。それ以外は不幸、大変だ。
日本はまだそういう時代だった。
色々思い出すが、それはまた別の機会に。
今の若い人の多くは専業主婦だなんだ言っていられないようだ。
食べていくために、お母さんたちも何でもいいから
仕事をしなくては!という時代だ。
仕事の意義とか自立とか考えられたのは、時代にゆとりがあったからかもしれない。
若い諸君、大変ではあるだろうが、頑張ってください。よくはなってきていると思います!
言いたい:
働くということは、自分の仕事を持つということは、素晴らしいことだ。
困難な時もあるけれど、本当に素晴らしいことだ。
若者は、辛くても素晴らしいと思える仕事や職場に出会ってほしい。
大人は、そういう仕事や職場を作ってほしい。
また、人材を見極められ、冷静で社会的な判断のできる大人の女性をもっと多く育ててほしい。
仕事は素晴らしい!
専門知識・専門分野を身に着けよう!
彼女ほど高度でなくても。
それは大きな武器でもある!
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ドリーム」の一場面借用画像 |