2023年1月6日金曜日

春にして君を離れ

 1月5日にちょっと書いたアガサ・クリスティの作品。

読み終わり、再度読み始める(私には珍しい事だ)。

テンポも語り口もどちらかというとだるいのに、なぜこうも惹かれるのだろう。

再読1/5あたりで、はっと気が付いた。

いやいや、最初から心の奥底で気が付いていたのだ。

これは、ある部分私のことのようだ、と。

そして、同じように感じる人も多いだろう。

優れた作品が皆そうであるように。


自分は正しい事をしている、愛する人のために、仕事のために、

家族のために、と尽くすほどに相手を追い詰め、

しかも自分はそれに気付かずに正義感の元、押し付けてゆく。

双方にとって悲劇である。

誰もが少しは経験することだと思う。


クリスティは、ゆっくりと小さな伏線をたてながら、

徐々に主人公に気付かせ、追い込んでいく。

今迄非の打ちどころもなく、家庭の中心にいたつもりの自分が、

実は家庭の災いの源であったことに。

大変怖い「殺人事件」以上の作品だと思った。

終わり方も、人生経験豊かで人間らしい。


自分のある部分について、色々考えさせられる小説だった。








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