近くに住む、姉のように親しい女性が、新聞紙に包んだ花を差し出した。
真っ白い花。
今庭から切ってきたと。
早速、花器に盛った。 一つは仏壇へ。
その人の父親と私の父親は、親友だった。
二人の父親は、たぶん家族の中で比較的孤独で、似てはいないが個性的な性格だった。
だからか、子供のころから、兄弟のように助け合ってきたようだ。
その「おじさん」は、無骨な人で、身なりをかまわない外見とは異なり、花が好きだった。
庭に様々な木々や花をたくさん育てていて、定年後には、市内の空き地に花を植えたり、
種をまいていた。 印象との差異に、少々ぶっ飛む。
現在は市の政策として、街路に花を植える活動が盛んだが、その何十年も前のことだ。
家に来るときは、いつも、花束、それも庭でとれた花束を、持ってきてくれた。
母はとてもうれしそうだった。
私たちは、いつも、そういう父の友人とその家族に囲まれていた。
和菓子屋のおじさんは、季節の和菓子を、
クリスマスには、大きなクリスマスケーキを持ってきてくれた。
皆、家族同様のつきあいだった。ずいぶん可愛がってもらった。
もう、だれもいないけれど。
初夏の風。
今年は、白色が流行のようだ。
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自然の緻密さ |
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