この所、全く忘れていた「思い」である。
海外の翻訳雑誌や本が、まわりに色々あった。
それらの雑誌には挿絵が多く、その中に、1コマから数コマの、孤島に一人で暮す男、
または妻と二人で暮す男の漫画が、悲哀をこめてよく掲載されていた。
子供で女の子の私が、なぜそれに惹かれたのかは不思議だ。
しかし惹かれたのだ、ずっと惹かれていた。
島暮らし。孤島に。
実際は虫類が苦手で、小さな虫がいても、大騒ぎになるのだが。
あくまでも空想の中でしか実現不能そうだが、遠くの海や孤島に、憧れていた。
冒険に憧れ、観光旅行やグルメ旅には興味がなかった。
学生時代、社会に出た始めの頃は、ひなびた半島の先端や島を徒歩旅行したっけ。
やがては、社会に従順になり、普通になっていったが・・・。仮面かもしれないが。
そう、話は時計に戻る。
腕時計に電池時計が出始めたとき、これでは「孤島暮らし」には困るではないか!
と心の中で抗議した。
だから、電池だけの腕時計は絶対に使わなかった。
振動や手巻き付きのものしか使わなかった。
そういうことを思い出した。
アマチュア無線の免許を取ったのも、「将来の孤島暮らし」に備えてのことだった。
電気が通じていなくても、生活する手段を考えていたっけ。
そんな、もう一人の「半分は空想の中の」自分に、本当に久しぶりに再会した。
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