2016年4月22日金曜日

春のレイ

「素敵な色ねえ! レイ、フラダンスのレイをかけているのかと思ったわ」

知らない女性が、突然声をかけてきた。

「え? スカーフです」

「遠くからみると、レイのようにみえるのよ。 きれいだわ」

「服の色が地味なので、アクセントにしているの」


私は、黒いパンタロンに、たっぷりした黒いニットのブラウスを着て、黒いベルトをしていた。

春なのに黒々しいので、濃淡のピンク系の透けたロングスカーフを首にかけていたのだ。

知らない人に服装のことを言われるのは、好まないけれど、

笑顔で手を振って去っていく女性の後姿を見て、心の中に小さな花が咲いた。


色の祭典

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