ボランティアで日本語を教えているが、今年は高校受験を希望するスリランカの少女を担当している。
相談に乗ってくれる友人も親類もなく、日本語がほとんどできない。
英語だけでも大丈夫、というフリースクールも、インターナショナルスクールも、
遠方だし安価ではない。
諸調査の末、秋の終わり頃行き着いた結果が、地元の夜間高校入学だった。
そこの全日制は、私の母校でもある。
学校の雰囲気や夜遅くの下校環境、授業風景も、親を同伴して下見にも行った。
私は個人的には、外人枠のある全日制高校入学を推薦したのだが、近くにはない。
「家族納得の上、自分たちの意思で選択」した結果が、地元の夜間高校だった。
定員割れしているので、よほどのことがない限り、合格する。
筆記テストも終わり、先週の「面接」には、私も付き添った。
母校は山の上にあり、長い坂道と階段を歩かなくてはならない。
寒くて風の強い日、小柄で痩せて、大きなぐるぐる目の美人のAちゃん、
無口な子で人馴れは悪いけれど、可愛い子で、一生懸命ついてくる。
手すりを使って登る私を気遣いエスコートする。
あら見えなくなった、と思ったら、
おいおい、強風を避けて私を風除けにしている(笑)。
ま、君が前を歩いても私の風除けにはならないけれど。
久しぶりの母校、付き添いの待合室は図書館。建物はすっかり変わっているけれど、
懐かしく、忘れていたことをムクムクと思い出した。
青春時代。一生分の「モテ時代」だったかも、ふふふ。
帰り道、昔入学の直後、友人との帰り道、階段を踊りながら降りた事、
友人が大笑いして見ていた事を思い出した。
「ウエストサイド ストーリー」というミュージカルダンス映画を見た直後だった。
友人も見た後だったので、笑い転げていた。
まだ地元の映画館では未公開で、高校受験も終わった春休み、
二人ともそれぞれ東京で見ていたのだった。
「あたしね、こんな受験校に入ってすごく嫌だったの。
でも踊っているのを見て、よかった!踊ってる友人もいる。
これならやっていけると思った」と友人。
帰り道、私は階段でちょっとポーズをとりながら言った。
「Aちゃん、先生ここを踊りながら降りたことあるのよ」
Aちゃんは不思議そうに笑っていた。
その夜、階段の友人に電話した。
「ねえ、60年後、同窓生になる外国人を連れて、あの階段を降りるなんて
想像もできなかったわ」
「本当だねえ」
Aちゃん、たった1人、入学する外国人、暫くは大変だと思うけれど、
友達や知り合いを作ってね!
一生の友達が出来ますように。
故郷に戻った私は今、仕事時代の大切な友人はもとより、
故郷の幼馴染と守りあい助け合っている。友人は宝。
いい友人知人は悩みを半減し、喜びを倍にする。
おおらかな気持ちで、ちがいも認め合う!
Aちゃん、いい高校生活を!
 |
紅玉がたくさん!スムージーにして毎朝飲んでいる。 自然の色彩の美しいこと! |